新高校3年生の皆さんへ 2024

,

定期試験から模擬試験へ軸足を移そう

高校2年生までの模擬試験では、原則その学年の生徒しかその模試を受験してきません。しかし、3年生の模試には浪人生も参加してきます。まさに2学年あるようなものです。数が減ったとはいえ、一般的に浪人生の方が習熟度は高いので2年生までの偏差値は維持しにくくなります。そして夏以降になりますと、開成や灘といったような全国的に有名な高校の受験生も参加し始めます。彼らを意識してか、夏以降の模試では範囲が広がってくるだけではなくて、質も難化してきます。高校3年生になったら模擬試験に軸足を移し、広く全国の順位を意識しましょう。

時間がない

高校3年生はたとえ有名高校でも4月の時点でまだ未履修の範囲があると思われます。そういった状況では4月の時点で浪人生徒の学力差はかなり大きいと言えるでしょう。その後も現役生は学校の授業を受けなければなりません。場合によっては受験科目でない授業も受けることになるでしょうし、学校行事や補習まであります。夏を過ぎますと週末は模擬試験でふさがります。2年生の間までに受けた定期試験や模擬試験の結果で、あるいは自覚症状で、苦手な科目や苦手な分野もなんとなく把握できていると思いますが、落ち着いて強化していく時間が取れません。
来年の共通テスト、あるいは私立大入試まで、4月から数えて10ヶ月しかありません。大手の模擬試験は11月までですから、力を試せる期間は8ヶ月しかありません。とにかく効率の良い勉強に心がけましょう
部活に入っている生徒が、「部活が終わってから」と言うことがありますが、そのまさに夏から一連の模擬試験が始まります。受験生には部活をしていない生徒もたくさんいます。一日の一定の時間を習慣的に割いて準備を始めるようにしましょう。

実質履修済みの科目の勉強の仕方

実質履修済みの科目で代表的なものは国語英語です。この2科目は受験科目にも入っていますが、英文法は中学1年生から高校1年生で履修済み。国語の古典文法も高校1年生で履修済みです。残っているものと言えば語彙力の増強くらいだと思います。
また、文系の理科の基礎科目数学、理系の社会も履修済みかもしれません。こうした科目は日々の予習や宿題を演習と捉えて処理しましょう。参考書か教科書を1冊決め、徹底的に習得することが必要です。特に英語や国語は日々与えられる初見の問題に時間を意識して取り組む必要があります。そうすれば模擬試験でも点が取れるようになってきます。
高校3年生の1年は模擬試験で土・日がつぶれるなど、とても忙しくなります。特に理系の受験生は未履修事項も多く、実質履修済みの科目を苦手科目のままで放置するとあとが大変です。生徒がよく口にする「わからない」は「覚えていない」と「分からない」に分類できますが、実質履修済みの科目については、できるだけ「覚えていない」をなくすようにしましょう。

未履修科目の勉強の仕方

理系の受験生にとって、数がと理科が未履修分野の残る科目として挙げられると思います。夏以降の模擬試験では遠慮なく出題されてきますから、予習→授業→復習という基本的なサイクルを守りましょう。これらの科目については苦手な科目、分野として放置しておく時間がありません。定期試験対策もしっかりしてください。

直前期は体力勝負

浪人生と比較して習熟度が低いばかりでなく、未履修の分野まで抱えている高校3年生ですが、やがて未履修の範囲も履修します。実質履修済みの教科、分野の習熟度も上がっていくことでしょう。次の模試では、次の模試ではと課題を見つけて前に進んでください。準備期間は入試の前日まであります。模試のシーズンが終わっても、その判定が悪くても、しょせん模試は模試です。直前期は体力勝負。あきらめず、無理もせず、最後まで着実な準備を続けましょう。合格発表の日、「逆転」と呼ばれるかもしれませんが、実は「必然」の結果が出てくるはずです。

# 大学受験
# 高校3年生