医学部医学科の志望動機と面接

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志望動機

動機とは、わかりやすく言いますと、医学部を志望することになった「きっかけ」なわけですが、大抵、お爺さんが、あるいはお父さんが医師で、といった親族の話を持ち出す場合や自分が病気やけがをして、という自分の経験をきっかけとする場合が多いものです。私大の医学部の場合、卒業生の子弟を優遇するという話が過去にはありました。しかし、不明瞭な合格基準が問題になってから、性別、縁故、寄付金の多寡が医学部合格に影響することは少なくなってきています。

親族に医師がいてその方の仕事ぶりを見ていてという話はあってもよいと思いますが、あまり長くなり過ぎないようにしましょう。膨大な数の願書に書かれた志望理由を読んでいる試験官、面接官にすれば残念ながら埋没な内容となってしまうからです。自分がどうして医学部に行くことにしたか、どうしてその大学にしたか、そして将来どのような診療科に進みどのような医師になりたいかということに重きを置きましょう。もちろん、志望動機と大学と将来の医師像はつながっていることが必要です。

私立大学を受験する場合

私大受験で気になるのは併願する受験生が多いのではないかということです。2022年度から国立大学の受験にはセンター試験の代わりに共通テストが導入されました。特に大きく変わったのは英語です。センター試験の英語では発音問題や空欄埋め、語句整序といった私大の入試問題と共通する出題形式が取られていました。リスニングもありましたが、配点は筆記の4分の1でした。しかし、共通テストでは筆記のすべてが長文読解のみの100点となり、リスニングは100点となってしまいました。

こうした変化から、国語や社会の負担だけでなく、英語の負担もあって、私大医学部を志望する受験生が国公立大受験を忌避しているのではないかと思われます。ということになりますと、以前以上に私大志向の受験生が増え、ひいては併願校が増えるという結果になっているのではないかと思います。しかし併願校が増えるとなると出す願書が増えてきますから、出願にあたって志望動機を書く機会が増えることになります。

ここで気をつけていただきたいのは、先ほど言いました、志望動機と大学(の特徴)と将来の自分の医師像のつながりです。私立大学医学部の場合、得意分野や施設が違ってきます。大学の出しているパンフレットやその中に書かれている沿革や施設、アドミッション・ポリシーといったものにしっかりと目を通して志望動機を書いたり、面接の準備をしたりしておきましょう。

ただ、私立大学の場合、面接は1次試験に合格しなければ受験資格の与えられない試験です。まずは1次試験の合格を目指しましょう。補欠合格も1次に合格していなければ回ってきません。そして1次試験に合格したなら、各大学の特色に基づいて面接で話すことを整理するためにも一通り紙に落としておきましょう。

国公立大学を受験する場合

国公立大学の場合、2段階選抜を通過して2次試験を受ける受験生には面接が課されます。私大の受験との違いはそれだけでなく、前期と後期しか受験機会がないという点です。定員が多く、従って倍率も相対的に低い前期試験が当面の目標となりますが、出身地と違う所在地にある大学の受験には特に注意が必要です。といいますのも地方の大学の医学部となりますと地域医療の中核となっている場合が多く、卒業後その地域に残ってくれるのかということを非常に重視しているためです。地域枠での受験ともなりますと志望動機や面接時の応答よりもこの点が大きな鍵になります。

他県の大学を受験する場合は、どうしてその大学、その地域で医学の勉強をしようと思っているのかを理路整然と話す必要があります。鹿児島のように離島や遠隔地を抱えている県も多くあります。国公立大の前期試験の併願は不可能ですので、しっかりと準備しましょう。

医学についてはそれほど詳しくなくてよい

早い時期から小論文の準備をして、医学的な知識を備えていないと受験に差し障ると思っている受験生が多いようですが、それは一部の難関大に限られます。医療に関わる一般的な知識があればとは思いますが、専門家を前にして現在の医療の問題点などを声高らかに挙げてしまえば逆効果になるに決まっています。また医療に関しては生物選択者の方が有利です。物理、化学の選択者も多いと思いますので、どうか自然な会話をしてください。「原稿」を思い出しながら話したり、うつむいたまま話したりするのは厳禁です。また、必ず見抜かれてしまいますので、きっかけや大学の選択については嘘がないようにしましょう。

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